小説「漂流」が色んな意味でおもしろかった

最近読んだ小説で「漂流」が色んな意味でおもしろかった
筆者は江戸時代の漂流者の記録を詳しく調べて小説にしたようでリアリティあって一気に読んじゃいました

長州藩(高知県)に住む主人公「長平」と3人が乗った積荷船が嵐に巻き込まれて船がボコボコに大破。。

ついに操縦できなって4人は死を覚悟していたけど奇跡的にどこかの島にたどりついて無事に上陸できることに

漂着した島は鳥島という東京から500㎞くらい南にある無人島
記録にあるだけでも江戸時代100人以上が漂着したみたい

この島は火山島なので植物も少なく食べれるのは磯の貝や海藻だけ
川も池もないんで飲み水は雨水のみの極限状態
4人は絶望状態だけど諦めずに磯から崖を上がってみたら・・・

そこは辺り一面を覆いつくす数えきれない数のアホウドリの群れ
これで島での食糧は貝や海藻に加えて鶏肉も食べれるようなったけど火をおこす道具は無いのでもちろん生食しかできない。。

しかもアホウドリは渡り鳥なんで時期がくると一斉に飛び立っていっちゃって半年は島に帰ってきません・・・

この本すごいのは雨水を工夫して貯めたり、漂着した物を使ったりと何とか生きていくサバイバル本の部分と

「絶対日本に帰る」と助け合って最後まで諦めないという自己啓発本としてもおもしろかった

特に目立ったのはこの時代の人たちの神仏への厚い信仰心
極限の状態になっても「伊勢神宮・金毘羅大権現」の名を唱えて御加護を祈ったり、少しの希望が見えれば神のご加護と感謝します

この厚い信仰心を心の拠り所として諦めずに苦闘に打ち勝って12年間無人島で過ごして生還するんですごい神道パワーです

長編小説だけど1年に1回は読み返したいおもしろい本でした☺

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2021/2/22